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2015.07.17

「スピリチュアルケア・援助的コミュニケーション」について

医療法人社団悠翔会が主催されている在宅医療カレッジに参加させていただきました。

めぐみ在宅クリニック院長であり、エンドオフライフ・ケア協会理事の小澤竹俊先生のお話しです。

小澤先生のお取組みは、「人生の最終段階の人とかかわる」場面で「安易な励ましは通じない」状況を経験された医療・介護の専門職の「苦手」意識を「かかわる自信へ変化」させるための教育介入です。

 

私ごとですが、父が亡くなるときの最後の5日間での大きな記憶は、「信頼できる看護師」vs「この人わかっていないと感じた看護師」がいたこと。信頼できる看護師は私たちの大きな支えでした。一方で、表現は厳しいのですが、「この人わかっていないと感じた看護師」に対する記憶は、医療処置が黙々と進められていたことだけです。私たち家族は、今でももしお会いする機会があったとしたら「信頼できる看護師」に会って感謝を述べたいくらいの気持ちを持っています。

 

さて、今回の小澤先生のお話は、ターミナルの方へのケアについてだけではないと思います。「苦しむ人」は、自立から要介護の認定を受けられた方、自宅から施設や病院へ入院された方など、私たちが日ごろ関わっている多くの方が対象となると思いました。

 

「苦しむ人への援助」としては、まず①援助的コミュニケーションを実践すること、②苦しみをとらえること、③支えをとらえること、④どんな私たちであれば、相手のさせを強めることができるのかを知り、実践すること、そして、⑤支えようとする自らの支えを知るということです。

 

この「援助」のプロセスを、技術化(あえて、この言葉を使うのは、誰でもがこの「援助」の方法を得て、「役に立つ」という「自信に変化」することを目指されていると思ったからです)されて、とてもわかりやすくお話しいただきました。(詳しくは、小澤先生の緩和ケア読本に書かれていると思います。私も購入します!)

 

今回の学びの中でもっとも「そうだ!」と感じたことです。

 

*「スピリチュアルな苦しみ」とは、「自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛」である。

(尊厳のことですね)

*「苦しみの中でも穏やかさを保つ支え」には、① 「将来の夢」(過去からの時間軸の延長線上で将来を感じることができる=その人の「時間存在」としての意味に目をむけること)、②「支えとなる関係」(目に見えないものまでふくめ、その人の「関係存在」を知ること→そして、専門職が関わりの中で「関係存在」となることが大切ですね)、③「選ぶことができる自由」(「自律存在」としてその人を位置づけること)が大切だということ。

*「選ぶことができる自由:自律存在」は、「例:一人でトイレに行くことを選ぶことができる」ことを指すだけではない。「例:一人でトイレにいけないが、他の方法で排泄を選ぶことができる=~に(信頼して)ゆだねることができる、~に手放すことができる」と感じてもらうことも含む。 (これは、衝撃でした。本人の選択のための選択肢には、「~にゆだねることができる」と感じる環境までもが含まれるということだと理解しました。)

*「役に立つ=good enough」という認識=「自分を認めること:自尊感情、自己肯定感」からスピリチュアルケアはスタートするということ。(これまで、本などで自尊感情の大切さを読む機会があったのですが、頭ですっきり理解できていませんでした。しかし、今日のお話しで、わかったように思います。自分はダメだ、と感じて歩みを止めるよりも、私はgood enough、と感じて本当に「役に立つ」ことができる方法を模索し、実践することが答えにつながるということですね。)

 

先生が使われている言葉は「 」で示しました。( )はお話しをお聞きして感じた私の考えです。拙い考えなので、再度!詳しくは「緩和ケア読本」を拝読し、さらに考えてみたいと思います。

 

「多死時代」となる2025年まであと10年。スピリチュアルケアという高い専門性が私たちの周りに多く存在していますように。

 

(高齢者住宅研究所 絹川 麻理)

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